旅行の英会話は、実は出題範囲のかなり狭い世界です。注文する、試着する、道を聞く——決まった場面で決まったフレーズさえ言えれば、旅の英語の大半は片づきます。逆に言えば、その決まった場面で日本語の発想のまま話すと、通じなかったり、悪気なくぶっきらぼうに聞こえたりします。
レストラン・買い物・移動の3場面から、日本人がやりがちな言い方を14例選びました。形式は「✗ やりがちな言い方 → ✓ 現地で通じる言い方」に理由を一言。出発前に、心当たりのある文の ✓ 版を声に出して3回読んでおくと、現地で口から出る確率が目に見えて上がります。
レストランで注文する
- ✗ I want a hamburger. → ✓ I'll have a hamburger, please. —— I want は子どもの「〜がほしい!」に聞こえます。注文の定番は I'll have か Can I get です。
- ✗ Please give me water. → ✓ Could I get some water, please? —— please を付けても give me は命令調のまま。Could I get が丁寧で自然です。
- ✗ Can I take out? → ✓ Can I get this to go? —— 持ち帰りはアメリカでは to go、イギリスでは takeaway。「テイクアウト」のままでは伝わりにくい言い方です。
- ✗ This restaurant has free drink. → ✓ It's all-you-can-drink. —— free drink は「無料の飲み物」の意味になります。飲み放題は all-you-can-drink です。
- ✗ This cake is very delicious! → ✓ This cake is absolutely delicious! —— delicious はそれ自体が「とても美味しい」なので very とは組みません。強めるなら absolutely や really を使います。
買い物で
- ✗ I'm just watching. → ✓ I'm just looking, thanks. —— 店員さんへの「見てるだけです」。watch は動くものをじっと見る動詞で、商品を見て回るのは look です。
- ✗ Can I try this jacket? → ✓ Can I try this jacket on? —— 試着は try on。on が抜けると「ちょっと試しに使ってみる」ように聞こえます。
- ✗ I buy this. → ✓ I'll take it. —— 「これにします」はレジ前の決まり文句 I'll take it で。I buy this は英語として不自然です。
- ✗ Can I use credit card? → ✓ Do you take credit cards? —— 通じはしますが、カードが使えるか店に聞く定番は Do you take credit cards? です。
移動・道を聞く
- ✗ How can I go to the station? → ✓ How do I get to the station? —— 道を尋ねる決まり文句は get to。How can I go は「どうすれば行けるというのか」と大げさに響きます。
- ✗ I missed the last train, so I will ride a taxi. → ✓ I missed the last train, so I'll take a taxi. —— タクシーやバスに乗るは take。ride は自転車や馬など、自分でまたがって操るものに使います。
- ✗ I want to go to the airport.(タクシーで) → ✓ To the airport, please. —— 運転手さんに行き先を伝えるのはこの形が定番。I want to go to から始めると回りくどく、幼く聞こえます。
- ✗ Where is here? → ✓ Where are we? —— 「ここはどこ?」の直訳は英語には存在しない形です。地図を見せながらなら Where are we on this map? と聞きます。
- ✗ Where is the toilet? → ✓ Where's the restroom? —— アメリカで toilet は便器そのものを指す響きがあります。店や空港では restroom や bathroom を使います。
口が覚えるまで
旅行英語のいいところは、本番の日付が決まっていることです。そして悪いところは、本番で言えなかった文を、その場で誰も直してくれないことです。注文は通り、買い物は済み、旅は進む——だから帰国しても、次の旅でまた I want a hamburger と言うことになります。旅の英語は、出発前に口に入れておくのがすべてです。
やり方は簡単です。この14例のうち、自分の旅程で使いそうな文を5つ選び、✓ 版を声に出して3回ずつ。そのあと行き先を自分の旅に置き換えて一文——To the airport, please. の airport を、実際に乗る駅や街の名前にして言ってみる。ここまでやった文だけが、現地で口から出てきます。
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バイキング・モーニングセットなど旅先で出やすいカタカナ英語は「通じない和製英語一覧」に、練習の組み立て方は「シャドーイングの独学のやり方」にまとめています。旅先での雑談に備えるなら「英語の感情表現と雑談フレーズ12選」もどうぞ。
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